脳は3つある⁉︎ 知恵の源泉は“心臓の脳”と“腸の脳”

Published on: 07/14/2019 | Last updated: 09/20/2024

ボディートークではありとあらゆる側面からこころとからだのバランスを整えていくため、施術内容はひとりひとりまったく異なるものになりますがほとんどの方のセッションに共通して出てくる項目もいくつかあり、そのなかでもとくに重要なのが“3つの脳”です。

“3つの脳”とは

一般的に脳といえば頭のなかにあるものひとつだけと思われがちですが、実は心臓と腸にも頭の脳を上回る数の神経細胞があり、脳と同等の機能を担っていることが科学的に実証されています。

ボディートークではこれらを3つの脳と呼び、それらすべてが活性化され、かつ高いレベルで連携して互いにサポートしあう形で働く状態に導くためのテクニックを取り入れています(参照→⭐︎)。

脳は司令塔ではない!カギを握る “心臓”と“腸”

「頭ではわかっているのに行動できない」とか「心は惹かれるけど頭がストップをかける」という状況、ほとんどの人が身に覚えがあるのではないでしょうか。

3つの脳がうまく調和していないとこのような葛藤が起きてしまいますが、それぞれの脳をバランスよく使えるようになれば物事の捉え方や人生経験はまったく違ったものになります。

現代社会では頭の脳だけを極端に重んじる傾向があり、頭の脳がすべてを制御し指令を出すことにより体や心が機能しているというイメージをもっている人が多いと思います。

しかし近年の研究では、実際には頭の脳から送り出されるシグナルよりも、身体の他の部分から頭の脳に入力されるシグナルのほうがはるかに多く、その大部分が心臓と脳からのアウトプットであることがわかっているんです。

つまり頭の脳は司令塔ではなく処理装置であり、体内や環境からさまざまな情報をダウンロードして、それに応じて身体機能を維持するプログラムを動かしているのです。

また頭の脳は自律神経系の中枢でもあり交感神経(闘争・逃走反応)と副交感神経(休息・回復)の切り替えを行いますが、こうしたプロセスは意思の力でコントロールするのは困難で、心臓と腸からどのような情報を受け取るかによって左右されます。

ですから頭の脳だけでなく心臓と腸の脳としての機能をうまく活用できるようにしておかないと心身全体の健康は実現できません。

調和の要となる“心臓の脳”

これら3つの脳をつなぎとめる役割を担うのが心臓の脳です。

それにより頭の脳と腸の脳がしっかりと連携していれば、神経回路と感覚的なインプットが効率よく結びつき、システム全体が穏やかに安定した状態、すなわち副交感神経が優位のリラックスモードとなります。

そして3つの脳が一体となって健全に機能しているとき、心臓の脳は人生経験におけるすべての相互作用をつなぎとめる要となります。

つまり自分自身の魂との結びつきや、周囲の人々、環境、物事との関係性を築いたり、それらにまつわる気づきを得るための知性は心臓に宿っているということ。

また人は自分自身を指し示すとき直感的に胸のあたりに手をやることからもわかるように、心臓の脳は自己の意識が宿る場所でもあり、自省や内省、自己愛を司ります。

直観と決断を司る“腸の脳”

腸の脳(腸管神経系)は防衛機制に深く関連しており、小腸とマイクロバイオーム(微生物叢)も含めて、外部から体内に入ってくる病原体や食物が自分にとって必要なものか不要なものかを識別して対処することにより、免疫反応や栄養分の消化吸収を統制しています。

このことから容易に連想できるように、生きていく上であらゆる選択や決断を下すのも、本来は腸の脳の役割です。

何が正しく何が間違っているか、自分にとって何が最善か、何を選び取るべきかは頭で考えるのではなく、腸の脳の直観にしたがって判断するのが自然なのです。

古くから「腹を決める」「腑に落ちる」といった言い回しがあるのは偶然ではなく、人は昔から知っていたんですね。

現代人は頭の脳がオーバーワーク

ところが現代人の多くは頭の脳を重要視するあまり、本来ならば他のふたつの脳が担うはずの役割の多くを頭の脳に課すようになってしまいました。

そのせいでつねに負担がかかりすぎる頭の脳は慢性的な緊張状態に陥っていて、ストレス要因に対して過剰に反応しすぎたり、逆に麻痺して問題解決のための実際的な行動が取れなくなり、それが自律神経障害や心身症の蔓延につながっています。

心臓の脳と腸の脳を軽視し、頭の脳に依存する生き方は、気持ちのいい風が吹く日に帆掛け船を電動モーターで動かそうとする航海士のようなもの。

自然の後押しに逆らって無駄に燃料を消費し、平穏だったはずの旅路を困難なものにしているのです。

頭で考えることがもっとも重要だと思い込んでいると、直感や内省、好奇心、体感など、概念化されないさまざまな情報の豊かさに気づけなくなり、柔軟性を欠いた信念システムに囚われていきます。

そうなると思考はもはやツールではなく、自らが思考の奴隷となってしまい、人生は悪戦苦闘の連続のように思えてくるでしょう。

3つの脳を活性化して心も身体も健康に

さまざまな状況に対応できる健全な知性を発揮し、密接に関わりあう心と体の健康を維持するには、3つの脳すべてが協調して働く必要がある。

これも伝統医学では古くから知られていたことが近年の科学的研究によって裏付けられた医学のパラダイムシフトの一例です。

先進科学と伝統医学を融合するボディートークはこのような側面からも調整が可能な画期的なホリスティック療法となっています。

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