Published on: 11/30/2024 | Last updated: 12/06/2024
東洋医学では古来から症状には心の状態が反映されているとされ、心と体をひとつのシステムとして捉え全体のバランスを整えることが重視されます。近年、こうしたホリスティックな概念が科学的エビデンスとも一致しつつあり、身体と意識の相互作用に注目が集まっています。ボディートークは東洋医学をベースに解剖学、生理学、神経科学などを統合的に用いて、身体と意識の両面から調整することで、心と体が一体となってよりよい状態を志向する好循環を促進するもの。といってもわかりにくいですよね。いったいどういう仕組みなのか、具体例を交えて見ていきましょう。
目次
意識の具現化=身体
意識の状態が具現化したものが身体である。と言われてもピンとこないかもしれませんが、実は誰もが体験したことがある現象です。
1. 姿勢
いちばんわかりやすいのは姿勢でしょうか。
当サロンのセッションでも変化を実感していただくために、施術の前と後に姿勢や立ち方のチェックを行っています。姿勢改善を目的に来られたわけではなくても、潜在意識が変わった結果として、猫背のため前に出ていた頭が骨盤に上にしっかり乗るようになったり、重心が正しい位置に戻ってまっすぐ立てるようになるといった変化が、8割以上のケースで確認できています。
たとえば落ち込んだときは誰でも胸が閉じて前屈みになりますよね。無意識のうちに傷ついた心(心臓)を守ろうとするからです。
一時的であれば問題はありませんが、慢性的にネガティブな傾向や警戒心が強い状態が長く続くと、猫背や巻き肩という形でその意識が身体症状として固定化されてしまいます。
そうなると
→ 肺がふくらむスペースが少なくなり呼吸が浅くなる
→ 酸素量が減少
→ 脳や筋肉への酸素供給が足りなくなる
→ 体は“緊急事態モード”へ。ストレスホルモンが増加(緊張状態)
→ 不安感の高まり、集中力の低下、闘争/逃走反応(問題解決能力の低下)
となり、心理療法や自己啓発、コーチングなどで意識をポジティブに変えようと努力しても前向きになるのは難しいです。
また、整体や姿勢矯正といった物理的な力で身体を調整しようとしても、ネガティブな意識に引っ張られて効果が出にくかったり、施術直後は治ったように思えてもすぐに後戻りしてしまいます。
このようにいったんバランスが崩れると、意識と体の相互作用によりどんどん悪循環に陥るメカニズムになっているのが厄介なところです。
ボディートークでは心理的ストレスや防衛機制といった意識の側面からの調整と、テンセグリティ構造やコーディネーションといった身体面からの調整を合わせて行い、心と体の悪循環を好循環へと転換させるため、比較的短期間で良い変化が起きてきます。心が整えば、楽にしていても自然と良い姿勢になるのです。
2. 胃(消化不良)
ショックなできごとがあって食事がのどを通らなくなったという経験、誰でも一度はあるのではないでしょうか。これも身体機能に意識の状態が反映された結果です。
というのも胃の主な役割は消化。食べ物を受け入れて一時的に保管し、そこに含まれる栄養素を吸収しやすい形に分解して、少しずつ量を調節しながら腸へと送り出します。
意識の面で言うと、人生経験を受け入れ、学び(栄養)を得る準備段階として、そのできごとやそこから生じた感情や思考を噛み砕いて理解するというプロセスにあたります。
あまりにも重大すぎてすぐには受け入れられない、理解できないようなできごとが起きると、それに対応する身体機能も一時的にストップしてしまうのです。
これも急性の事態であれば時間が解決してくれるでしょう。しかし、なんとなく新しい経験や変化に対して後ろ向きだったり慎重になりすぎているような状態が長く続くと、胃の機能がつねに低下している状態となり、消化不良による胃もたれ、胃痛、胸焼けといった不調が慢性化します。
その結果、
・栄養摂取の効率が悪くなりエネルギーが不足
・疲れやすい
・気分の落ち込み
・ストレスホルモンの増加、不安感の増大
・行動力の低下
など、メンタルにも影響し、ますます人生と向き合うのが難しくなってしまうのです。体の不調も胃腸薬を飲めば一時的に改善するとしても、意識が変わらないかぎり根本解決にはなりません。やはり悪循環ですね。
ボディートークではこれも意識と身体の両面からアプローチしていきますが、セッションを受けたあと、やたらお腹が空いて食事がおいしく感じたというご感想をよくいただきます。また動物も施術直後は一時的にふだんよりも多く水を飲んだり食べたりすることが多いです。これも身体=意識の一例で、食べる/咀嚼する(飲食物を処理する)という行為が、人生経験や感情を処理するプロセスを促進するためで、それまでうまく対処できずに体内に溜め込んでいた記憶や感情の処理がボディートークによって動き始めたことの現れです。
3. 腸(便秘/下痢/IBS)
腸は胃で分解された食べ物のなかから必要な栄養素を吸収し、不要なものを体の外に排出します。
これに対応する意識の働きは? もうわかりますよね。
人生経験のなかから自分の栄養となる学びや気づきを正しく選び取り、それを得るために必要だったけれどももう役割を終えた感情やわだかまりを手放すことです。
これがうまくできない状態が慢性化すると、便秘や下痢、IBS(過敏性腸症候群)といった腸の不調につながります。
とくに腸は第二の脳とも言われるように、腸脳相関と呼ばれる関係性によって脳(思考)やメンタルヘルスへの影響が大きいことが明らかになっています。ボディートークでは腸と心臓、頭の脳を3つの脳として捉え連携を強化することを重視しつつ、やはり意識と身体機能の両面からバランスを整えていきます。
甲状腺疾患が女性に多い理由
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や橋本病(甲状腺機能低下症)など甲状腺の病気は男性よりも女性の方が圧倒的にかかりやすいという事実があります。この理由は西洋医学的にはまだ特定されていません。
しかし、意識と身体の相互作用の観点から考えてみると答えが見えてきます。
甲状腺はのどにあります。のどの主な機能のひとつは発声、声を出すことですよね。
現代の社会構造において、女性は意見を表明したり自己主張をするという点で強い抑圧を受けています。日本を含め多くの文化圏で女性は“おしとやか”に“控えめ”に“男性を立てるべき”という価値観を幼少時から刷り込まれ、無意識のうちに意見をのみこんで我慢する癖がついている女性も少なくありません。また、そんな抑圧に抗って声を上げる女性も意見を軽視されがちだったり、不当な攻撃にさらされやすく、やはりストレスが多くなります。
こうした環境でのどに位置する甲状腺の不調が女性に多いのは当然と言えば当然でしょう。
究極のホリスティックケアで心も体も健康に
ここで取り上げた具体例の他にも、体のさまざまな部分にさまざまな意識が反映されていて、さらにそれらが複雑に絡み合って不調が起きたり、あるいは健康が保たれたりしているわけです。どのような身体機能が阻害されているかを見れば、どのような心のアンバランスが生じているかがわかるなんて意外かもしれませんが、考えてみるとすごく理にかなっていますよね。こうした新しい視点は“体の声を聴く”という健やかに生きるために必要な感覚を養うためにも役立ちます。
東洋医学と最新の科学的知見の交差点から健康を捉えるボディートークを受けると、こうした意識と身体の相互作用だけでなく、これまでの健康常識とは一線を画する新しいヘルスリテラシーを身につけることができます。セッションのなかでも丁寧にご説明していますので、心や体のメカニズムに興味がある方にとっては好奇心をくすぐる体験になるでしょう。もちろん興味がない方は聞き流してもOKです。潜在意識はしっかり反応してバランスを整えてくれますから。
心と体は密接に結びついています。体調は悪いけどメンタルは問題ないとか、ストレスは感じているけど体は元気とか、自覚症状は違うかもしれませんが、どちらかが不調なときはもう一方にも確実に負担がかかっています。究極のホリスティックケアであるボディートークで心も体もまるっと整えて、9割が一生知らない本物の健康を体感してみませんか?