BodyTalk

ダンサーにもボディートーク!

9月の東京出張のメインイベントはDLSの治療家トレーナーセミナー!でした。

DLS(ダンサーズ・ライフ・サポート)とはオーストラリアのバレエ学校の専属セラピスト兼トレーナーである佐藤愛さんがプロの現場での経験を基に健康なバレエ生活を応援するために展開されている活動です。

わたしはバレエ的な要素が必要とされるフィギュアスケートの上達を目指してDLSで紹介されている情報やエクササイズ、トレーニングなどを活用させていただいていて、解剖学をベースにした論理的かつ実際的な愛さんのアプローチにも共感するところが多いのですがダンサーとしてはセミナーに参加できるレベルにあるはずがないので今回は治療家としてセミナーに参加してきました。

もちろんバレエの世界にフォーカスした内容のセミナーですのでわたしにとっては新しい情報もたくさんありましたが、これまでにアスリートケアのために学び実践してきたことと共通する部分も非常に多く、プロを目指すダンサーにとってもボディートークはきわめて有効であると確信しました。

というのも、バレエで高みを目指すならどんなに努力してもし足りないほど厳しい世界ですよね。

ならばその努力をできるだけ効率化する必要があるのでは?

例えばボディートークとファーシャエナジェティクスで筋肉と骨格のバランスを整えれば可動域が広がり、身体能力が向上するだけでなく怪我の予防にもたいへん効果的です。

さらに本来のニュートラルな位置で重心をとれるようになるため、バレエにおいて重要な正しい立ち方ができやすくなり、その上でエクササイズやトレーニングをすればより短期間で悪い癖をとり正しい体の使い方を身につけられます。

また高いレベルで活躍するなら予防しても避けられない怪我のリスク。

怪我がなかなか治らない、リハビリがうまく進まないと悩んでいるダンサーの方はとても多いようです。

解剖学のみならず生理学、筋膜調整、感情や心理面まで、ありとあらゆる側面からアプローチできるボディートークなら、根本的な原因を解消して再発を防ぐとともに怪我の治癒を早めることができます。

実際、わたしのクライアントさんのなかにも治りが早すぎて医師や理学療法士さんに驚かれたという方が多くいらっしゃいます。

リハビリも体のコーディネーションを整えながら取り組めばより短い期間でより高い効果を上げることができます。

またバレエダンサーに多いといわれる側湾症もボディートークで完治した事例が多数報告されています。

そしてとっても重要なのに軽視されがちなメンタルケア。

厳しい競争のなかで精神的に追い込まれてしまったり鬱や摂食障害に陥るダンサーも少なくないと聞きます。

無意識のなかに知らず知らず蓄積されていく負の感情や、環境的に刷り込まれていくネガティブな思い込みを特定して解除することができるボディートークがあれば、厳しい練習さえ前向きに楽しむことができるでしょう。

と、どう考えてもいいことずくめでしかないわけなんですが、ボディートークもファーシャエナジェティクスも「体の声を聴く」ことによって調整が必要な箇所を見極めていくきわめて新しいタイプの療法であり、愛さんがされているような解剖学的あるいはその他の体に関する知識からロジカルに考えて治療方針を決める従来型の手法とは異なります。

とはいえ、体の声を的確に、かつ効率的に聴きとるためには幅広い知識をベースに持っておくことが必要。

これは異なる言語間の通訳でも実は同じです。

わたしは日本語と英語の通訳としても長く活動してきましたが、通訳の仕事というのは予習が9割と言われます。

つまりその場で扱われるテーマや取材対象者に関する情報を事前に調べて背景知識をしっかり頭に入れておくからこそ、本番で話されている文脈を正しく解釈し伝えることができる。

ただ単に語学力に秀でているだけではプロの仕事はできないんです。

同様に体や心からのメッセージを正確に聴きとるためには、体や心の仕組みを知り、セッション対象者が身を置く世界のコンテクストを踏まえた上で耳を傾けなければなりません。

だから施術の範囲を広げ精度を高めるべくこうしてボディートーク以外のセミナーや勉強会にも積極的に参加して知見を広めているんです。

またセッションで体の声を聴きとるのは施術者ですが、それによって体と心のバランスが整ってくるとご自身でも体の声に耳を傾けるということが自然とできるようになっていきます。

これもダンサーがセルフケアをする上で大切なポイントとなりますね。

今後はこの治療家トレーナーセミナーの内容を活かしてプロで活躍されている方からプロを目指している方、また趣味でバレエを楽しんでいる方までダンサーのみなさんをサポートしていきます。

さらにフィギュアスケートや新体操など表現力を求められるスポーツをされている方のケアにもこれまで以上に力を入れていきたいと考えています。

上手くなるためには練習は大事です。努力は必要です。

でも競争の激しい世界で上を目指すならトレーニングの効率を上げることは不可欠でしょう。

そうすればより高いレベルの努力ができるようになりますから。

楽しく賢く道を極めたい人にはボディートーク、最高のツールになりますよ。

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